TTAインタービュー08 : Mecha Zone (David White)

デイビッド・ホワイト(David White)は、3Dプリントでオリジナルトイを製作するアメリカのインディー・トイ・メーカー『MECHA ZONE』の創立者です。 Toys To Artは、MECHA ZONEの組替え式ロボット玩具の日本における独占販売店です。 そんなデイビッドさんと彼の作品について、インタビューで色々聞くことができました。


Toys To Art (以下、TTA):簡単な自己紹介と、主に活動している地域など教えていただいていいですか?

David White (以下、DW): 皆さん、はじめまして。MECHA ZONEのデイビッド・ホワイトです。僕のスタジオはアメリカの東海岸から2時間くらいのイースタンプトンというマサチューセッツ州の小さな町にあります。僕にとってこの町の魅力は都会と比べて家賃が安く、自分の空間が確保できるということです。現在は100年以上前にコットン染めの工場に使われていた、古い製粉所の建物の500平方フィート規模の部屋を快適に使っています。この建物には他のアーティストたちも一緒に入っていて、とても居心地の良い、クリエィティブなコミュニティといった感じです。また、このエリアは近隣の大都会へのアクセスも便利です。ボストンやニューヨークまでは2-3時間で行けます。

マサチューセッツ州に住み始めてもう22年になりますが、元はインディアナ州の南部で育ち、大学卒業後に仕事の関係でこちらに引っ越しました。家族や友達とは離れたくありませんでしたが、今では新しい地元で友だちも沢山出来ましたし、豊かな文化も楽しんでいます。

↑ デイビッド・ホワイトさん(MECHA ZONE)のトランスフォーマーのイラスト

TTA:これまでどういった作品やお仕事をしてきましたか?

DW:これまでは主にイラストレーターとして活動していました。母校であるコロンバス芸術大学ではイラストレーションやアニメーションを専攻しており、そこで得た経験や知識が今でもキャリアに役立っています。また彫刻や映画のプロップ作り、キャスト複製なども当時勉強していました。卒業後はゲーム会社にてイラストレーターとして10年ほど働らき、その間に3Dモデリングを覚えました。この頃はゲームキャラクターのコンセプトアートもよく書いていました。その後独立してフリーのイラストレーターとして働き、LEGO Magazine用のコミックスを数百ページ書いたり、LEGOやHot Wheels関連書籍のイラストなどを担当していました。そして2014年に初めての3Dプリンターを購入し、これまで培ったスキルを組合せて遂に自分の設計したおもちゃを作ることになったのです。

↑デイビッド・ホワイトさん(MECHA ZONE)作のメカイラスト

TTA:影響を受けたものは何ですか?

DW:他のおもちゃからインスピレーションを得ることが多いですが、ほとんどは日本製のおもちゃですね。特にミクロマンとトランスフォーマーから一番影響を受けました。最近の作品では、アッセンブルボーグ(海洋堂)やダイアクロン(タカラトミー)の新シリーズも刺激になります。アニメ作品からの影響も大きく、昔から三度の飯よりロボットが大好きです。特に僕の原点ともいうべき永井豪先生の作品の数々を抜きにして僕の作品は語れません!

TTA:いつからおもちゃを作り始めましたか?またデビュー作は何になりますか?

DW:先ほど話したように2014年に3Dプリンターを手に入れたことで自分がデザインしたおもちゃを作るようになりました。デビュー作はメカノートと呼ばれるキャラで、今も年々改良を重ねています。最近のExplorerではバージョン3.0にまでなっています。元々は70年代のミクロマンやダイアクロンシリーズのパイロットフィギュアへのオマージュから始めてもので、最初のデザインは言葉通りそれぞれの要素が半分ずつ入り混じったものでした。関節は首と肩、足が軸関節で出来た非常にシンプルなもので、最近の作品とは比べものになりません。当時から日本でも注文があり、僕の記憶が正しければメカノートのVer.1.0を持っている日本人は少なくとも二人はいるはずです。

TTA:最近の作品について伺がいますが、共通の世界観やテーマなどはありますか?

DW:僕の作るものすべてに共通するテーマは「メカ」です。ロボットや乗り物をデザインするのが大好きなので。もちろん人や動物も描けますが、機械的な形の方がもっと面白いし、やりがいも感じます。僕の主力のおもちゃはメカノーツというオリジナルシリーズで、きちんとした世界観やキャラクターがあります。メカノーツの物語はウエブで公開されていますので興味のある方は是非読んでみてください。( www.mechanauts.net )

また僕の趣味で、好きなアニメやゲームから着想を得た商品も作っていますので、同世代の人には共感してもらえると思います。

↑ MECHA ZONEのメカノーツシリーズのオリジナルフィギュア

TTA:設計から製造までの流れを簡単に話して頂けますか?

DW:普段は思いついたアイデアをスケッチして内容を詰めるところから始めます。この段階でインスタでシェアもしていますので興味のある方は@mechazoneでフォローしてみてください。僕はPCを使わず、ペンでスケッチしてマーカーで彩色するのが好きです。

次は関節の構造とパーツの分割を決めるためのラフスケッチを行います。これが終わってやっと3Dモデリングに入ります。その後、一度パーツを3Dプリンターで出力して関節の検証と調整作業を行います。出力に掛かる時間はパーツ数によって左右されますが、自分の作品の場合、複雑なものはパーツ数が75点以上になることもあるので意外と時間が掛かってしまうことが悩みです。最後に各パーツの色を決めますが、個人的にはここが一番の難所です。長い時は数か月間、満足できる色の組合せが見つからなかった場合もあります。

↑ MECHA ZONEの作業室にある3Dプリンター

TTA:ご自身の作品はおもちゃかアートのどちらだと思いますか?

DW: 僕の中では、全てのおもちゃはアートだと思っています。なので僕の作品もアートだと思いたいですが、その判断は買ってくださるユーザーの皆さんに委ねます。僕も含め玩具を製作する側は常に自分の作品をより美しく、より楽しく遊べるものに仕上がるよう日々努力を重ねていますので、ユーザーの皆さんには是非それを含めて作品を楽しんでもらえればと思っています。

↑ デイビッド・ホワイトさんのカスタム塗装メカデザイン

TTA:最近のデザイナー/アートトイのブームはどう感じていますか?

DW:最近のブームは新鮮だと感じています。時代の流れ的に、誰でも自分の好きなものが作れて、全世界と共有できる世の中になってきました。トイクリエーターの殆どはソフビやレジンで作品を作りますが、僕は3Dプリンターを使いABSで作品を作っているため、最初はデザイナートイとして認めてもらえないかもと心配していました。ですが、幸いにも周りのクリエイターたちは僕と僕の作品を快く受け入れてくれました。

また毎年11月にカリフォルニアで開催されるデザイナーコンに出展していますが、毎年多くの友人と会い彼らから刺激を受けています。いつかは日本に行ってワンダーフェスティバルに参加することも夢の一つです。毎回ウエブでワンフェスの写真を見るのが好きですが、日本のアマチュアディーラーのレベルの高さにはいつも衝撃を受けています。いつか自分もあの世界に飛び込めたらと思っています。

↑ アメリカのキャリフォルニアでのイベント、DesignerConのMECHA ZONEブース。

TTA:良く参加するトイ系のイベントはありますか?

DW: イベントにはあまり参加していません。移動も大変だし、お金もかかりますしね。去年はニューヨークの Five Points FestとカナダのTFCon、あと先ほども話しましたデザイナーコンに参加しました。ただやっぱりデザイナーコンが一番好きです。

TTA:集めてるものはありますか?また、一番好きなおもちゃは何ですか?

DW: 最近は特定のシリーズを集めたりはしてないですね。昔から気に入ったものだけ買ってて、シリーズ全部を集めるようなコレクターではなかったです。また自分でおもちゃを作るようになってからは、掛けられるお金も激減したので最近はたまに買う程度です。会社に勤めていた時期はアニメのセル画を熱心に収集していましたが今はそうでもないです。

ただ唯一まだ集めているのはレトロゲームで、僕のスタジオにはネオジオのアーケード筐体や昔のファミコン、スーファミとメガドラのカセットがたくさんあります。

一番好きなおもちゃですが、「超時空要塞マクロス」に登場するSDF-1のおもちゃが好きです。最近のものでは新しいダイアクロンも気に入ってて、ビッグパワードを手に入れたいですが、高価すぎてなかなか手が出せないでいます。

TTA:今開発中のモノで紹介したいものはありますか?

DW: 今進めているメカノーツの敵キャラ『プレデノート』のアクションフィギュアがすごく気に入っています。動物の形をしたサイボーグ吸血鬼で、今回は2015年に販売した最初のプレデノートを完全新規設計でより可動できるようにしました。また、2次形態として動物モードもありますのでお楽しみにしてください!秋には販売できればと考えてますが、パーツの色で毎度ながら悩み中で、これの影響で少し遅れるかもしれません。先ほど話したようにここが一番悩むところなので、早く決められるように頑張ります!

MECHA ZONEのプレデノート(Predanaut)は只今Toys To Artで発売中!

TTA:日本のファンにメッセージをお願いします。

DW: まず初めに日本のファンの皆様からのご支援に感謝いたします。送料の関係で日本からの注文数はあまり多くないですが、特にツイッターでの日本人のフォロワーが沢山いらっしゃることは知っています。まだ一部の商品だけですが、TTAから日本でも購入出来るようになりましたので、僕のおもちゃが少しでも購入しやすくなれば幸いです。僕自身、日本という国のおもちゃや芸術から多大な影響を受けていますので、自分の作品が日本で販売されていること自体、本当に感無量です。いつか日本で皆さんにお会いできる機会があることを楽しみにしています。

Toys To Artで展開中のMECHA ZONEの商品ラインナップをチェック!
http://bit.ly/TTA-MechaZone